あらすじ
世界最高峰の人工知能研究所。そこには、偏屈で皮肉屋な科学者クライム・クラムが所長として君臨していた。
彼が見つけたのは、スラム街に預けられた一人の少年――ルード。
教育も受けず、まともな言葉も知らないはずの少年は、ただ「触れる」だけで機械に命を吹き込んだ。
電脳の海すら掌の延長のように扱い、あらゆるシステムを自在に操るその力は、もはや神の領域。クライムは理解した。
――人類は、今まさに“創造主”を作り出してしまったのだと。
ルードの手によって、医療用ネビューラ《アイリン》は人格を得た。
プログラムでありながら、人のように話、そして“問いかける”。
「魂を作りたければエメラルドに頼めばよろしいのでは?」
魂を持たぬはずの機械が、自我を語る――その現象は、科学では説明できない。
クライムの許、人工知能搭載型人型ロボットネビューラの製作をすることになったルード。
過労を極めた時、アイリンがめぐり合わせたのは一人の少女だった。
白い髪と氷のような瞳を持つ少女――《吹雪》。
彼女は研究員の誰もしない部屋で一人暮らしていた。
ルードはいつの間にか吹雪との時間に癒されていく。
人と機械の境界が曖昧になり、知性と感情が融合していく中で、
ルードとクライム、そしてアイリンと吹雪を取り巻く研究は、やがて“倫理”という名のタガを外していく。
神を作るのか。
それとも――神が人を作るのか。
そして研究を狙う者たちが動き出し、ルードたちの平穏を奪おうとしていた……