あらすじ
……はぁ~。三度も続けてお見合い失敗するなんて、やっぱり祖国で流れていた悪評がこちらにも届いているのかしら?性悪な事は否定しないけれど、王女を母に持つ公爵令嬢とお見合い出来たというのに、毎回こちらからではなく向こうからお断りされるのも気に食わないわ。幸い女性の地位が祖国よりも高く、結婚する年齢も二十代半ばと高めだから行き遅れと言われるまで時間はあるけれど、祖国で顔だけはいい男を散々見てきたから物足りないのよね。せめて顔さえ良ければ嫁いであげても良いのだけれど。だって素朴で田舎臭い男に浮気されるとかあり得ないでしょう?子どもが出来る前にうっかり殺して家に迷惑をかけたくはないし。私はね、男に傅くつもりはないの。後継ぎを産んだら婚家を牛耳って女主人として君臨するの。不要なものは処分一択。今度は夫を亡くした健気な妻を演じればいい。──ああ、そろそろ時間ね。実はね、王太后陛下から歴史ある修道院の慰問に行って欲しいと頼まれたの。そこに放り込まれたらどんな問題児でも改心するのですって。王女時代のお母様も視察に行ったらしいけれど、しばらく食欲が落ちたみたい。王太后陛下ったら、何日か体験してみればどうかなんて冗談を仰るから笑っちゃったわ。……あら?お母様が泣いてるわ。たった一週間離れるだけなのに、相変わらず涙脆いわね。大丈夫だと手を振ってあげましょう。