あらすじ
戦場の果て、灰に覆われた世界で、ひとりの男が目を覚ます。
名は――エイリック。
かつて“英雄”と呼ばれ、そして“化け物”と恐れられた兵士。
仲間を失い、国を失い、自分という存在すら見失った男は、ただ一つの問いに取り憑かれていた。
「俺は……何者なのか」
生きる理由も、帰る場所も持たぬ彼は、ひとつの旅に出る。
それは神に祈るためでも、贖罪のためでもない。
ただ、生きる意味を――“誰かの目に映る自分”を――知るための巡礼の旅。
旅の先で彼が出会うのは、かつての戦友、故郷を失った民、そして死を恐れぬ子供たち。
彼らとの出会いが、少しずつ、エイリックの中に眠る「人間らしさ」を呼び覚ましていく。
だが同時に、彼の心に巣食う“闇”もまた、静かに目を覚ましていった。
かつて何を守り、誰を殺し、なぜ生き残ったのか。
そのすべてを背負いながら、男は歩く。
灰に覆われた大地の上で、言葉を巡る旅を続ける。
――これは、“生きる”という祈りの物語。
そして、自分という存在を探し続ける者の、終わりなき巡礼の記録。