あらすじ
駿河一颯の静かに高校生活を送りたいという願いを砕いたのは、幽霊の少女──檜前雫だった。最初は遠慮がちな雫だったが、互いに少し慣れるとイタズラをしたりして、毎日のように一颯を揶揄って遊んで、気がつけば一年が終わろうとしていた。
冷ややかな空気を纏う冬休みが近づき、雫は夏休みの時のように一人になるのが寂しいと本音を漏らす。そんな雫に「それなら外に出たらどうだ」と提案するが、雫は出ることができないと首を横に振る。
しかし雫が試したことがないとわかると、一颯と雫は言い争いの末、ある条件で試してみることに。
結果雫は外に出ることができ、学校という鳥かごから解放された。
学校から出られた雫は今まで胸に秘めていた願いを叶えたいと一颯に告げる。一颯は巻き込まれたくなかったけれど、自分の提案で外に出したのだと責任をとって付き合うことに。
最初はいやいやながら雫の行きたがるところやりたがることを一緒にやっていた一颯も、気がつけばそんな日々に楽しさを感じ、続いてくれればいいのにと思うようになった。それでも現実は甘くなく、願いを叶えるたびに雫の存在は希薄なものへとなっていく。
全てを悟り、一颯は雫の最期の願いを叶えるべく、過去を乗り越え本心を伝える。
「僕は、雫に出会えて、好きになれてよかった」
全ての願いが叶えられた時、雫の存在は地に落ちた雪のように消えていく。