あらすじ

小さな一言や距離の乱れが日常の温度を半度だけ上げる職場と通勤の風景。主人公は胸の奥の合図に合わせて「可愛いは防具、やさしさは剣」と唱え、内なるヒーローに変身する。雲綿の床、ミントの息、肩のジャッジ・マカロン――柔らかな道具で世界の角を丸くし、声を大きくせずに場を調律していく物語。 昼休み、無邪気に投げられた「子どもみたい」に胸が縮むと、虹色の輪ゴムはマカロン手錠へ、キララベルガンは『それはたのしさじゃない』を貼って言葉の泡を留め、レインボー白線が「そこまで」と境界を引く。帰宅列車では押し寄せる圧と視線が四角い塊に見え、花びらシールドと「しゃぼんディシプリン」、わたあめコクーンで距離と曇りを整え、焦りの煙を風に渡す。懇親会では冗談の熱がチョコスプレーの針となり、三層の甘判パフェに一本ずつ沈めて場の温度を均す。写真の光は星砂となって瓶に集まり、誰の背にも寄りかからないクマクッションが四角を丸くする。 朝礼では会議室を紙吹雪の式典に変え、タスクに「ここ」「これ」「この人」と名を戻す。星屑レシートの末尾に印字された「おつり:虹」は持ち帰らず、胸の中で丸く受け取る。誰にも見えない働きが、確かに空気を緩める。 やがて主人公は『何もなかったみたい』を大切な成果として胸に置き、ペンをミルクホワイト、ソーダミント、いちごミルフィーユ、夜ゼリーの順に並べる。ヒーローは心の中だけにいる。呼べば来る。呼ばなくても、もう知っている。

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エブリスタ
エブリスタ2025/11/02
  • 現在の作品やさしさは剣、可愛いは防具