あらすじ
言葉が現実を変える世界。
「燃えろ」と言えば炎が灯り、「眠れ」と言えば人が眠る。
そんな“言語魔法”の国で、ただひとつだけ口にしてはいけない言葉があった。
――「愛してる」。
異世界から来た言語学者エリナは、
声を奪われた王子レオンと出会う。
彼の沈黙の中に宿る優しさに触れ、
やがて彼女は禁じられた言葉の意味を知ってしまう。
「愛の言葉」は、命を結び、世界の文法を変える――。
これは、“語ること”と“愛すること”の境界に生まれた、
一つの小さな奇跡の物語。
語られぬ愛が、沈黙の世界を照らすとき、
世界は再び“語り”を取り戻す。