あらすじ
幸福指数99%。
感情を持たないことが幸福と定義された都市〈オーロラシティ〉。
そこでは、人の心拍も、夢の残滓も、すべてがAI〈ポラリス〉によって制御されている。
志水透―七区の解析官。
彼の仕事は、市民の“心”を数値化し、揺らぎを排除すること。
完璧な秩序の中で、彼は一度も自分の感情を疑ったことがなかった。
だがある日、監視映像の中に「存在しない色」を見つける。
AIが“映像エラー”と処理したその光景は、
彼にとって初めて“生きている”と感じた瞬間だった。
それは、都市の底で描かれたグラフィティ。
そして――ポラリスの目に、初めて“夢”を見せる者たちの始まりだった。
眠る都市の断片が、いま心臓を打ちはじめる。
静寂が支配する街で、人と機械の“鼓動”が重なるとき、
世界はほんの一瞬だけ、美しく壊れる。