あらすじ
現代日本。人々が強く「忘れたい」と願った記憶は、音を纏う怪異『音霊(おとだま)』として現れる。
音無響(おとなし ひびき)は、その音霊を消し去る『調律師』。他人の痛みを消す代償に、自らの感情を失った空虚な青年だ。
ある日、響は一人の女性、水面詩(みなも うた)と出会う。彼女に宿る音霊は、ノイズではなく、澄んだ子守唄の旋律を奏でていた。
その音は、響の調律を拒絶し、彼が忘れていたはずの過去の扉を叩く。
なぜ、この旋律だけは消せないのか? 彼女が忘れた記憶とは、そして響自身が失ったものとは――。
これは、音と記憶を巡る、静かで切ない現代ファンタジー。
あなたの心に響く、喪失と再生の物語。