あらすじ
「どうか、私に安らかな死を与えてください」──
かつて世界は「秩序の神」によって統べられていた。名もなき少女エルマは、理由も名誉もなくただ一人、神の座(みくら)へ至り、その心臓を穿った。しかし神は死に際に呪いを残した。『汝、我を殺めし者。汝もまた、永遠に死の安寧を得ることなく在れ』。
それ以来、エルマは【不死】の呪いと、万物を灰に変える【右腕】を携え、時を刻むだけの存在となった。愛する者も憎む者も、彼女の触れたものは等しく灰となる。世界は荒廃し、神の肉片――リメインズは奇跡と災厄を撒き散らし、人々はそれを奪い、祀り、争った。
エルマの唯一の願いは死。自らを殺し得る何か。神を超える力か、彼女を殺せる新たな「勇者」か。灰かぶりの魔女は呪われた右腕を隠し、今日も終わりなき旅を続ける。最後に彼女が得るものは、安らぎか、それとも――救いか。