あらすじ
王子アドリアンは、第二妃である母を殺した王妃の罪を暴くため、姿を偽り密かに王都を離れた。
だが、真実に手を伸ばしかけたその夜—―
刺客の刃が闇を裂き、彼の視界を奪う。
逃げ込んだ先は、森の奥の古い屋敷。
そこで彼は、壺で顔を覆われた少女と出会う。
少女の名はリュシェンヌ。
母の魔法によって守られたその姿は、やがて『呪い』と呼ばれた。
彼女は知らない。
その壺が、人の心の色を映し出す『真実の器』であることを。
視えぬ王子と、心を視る少女。
交わることのなかった二人の出会いがやがて王国の運命を変えていく。
母の祈り、王妃の野望、神の気まぐれ――
壺の底に封じられた『真実』が目を覚ますとき、世界は静かに形を変える。