あらすじ
世界を癒した「聖女」は、 ある日、世界から「異端」と呼ばれた。 その祈りさえ、咎(とが)として断罪される場所で。
「英雄」アイルは、世界に背を向けた。 ただ一人、愛する聖女とその腕に宿る「未来(こども)」を守るために。 彼の剣は、理不尽な業火を振り払う盾となった。
だが、戦いの果て、英雄は剣を置く。 すべては、聖女と子の「助命」を引き換えにするため。
断頭台へと歩む彼の背は、 敗者ではなく、守護者(まもりて)のそれだった。
世界は彼を「罪人」と呼ぶ。 だが彼は知っている。
父として、二つの命を未来へ繋いだ歓びを。 英雄として、生涯ただ一つの愛を護り抜いた誇りを。
振り下ろされる刃を前に、彼は空を見上げ、静かに微笑む。 その魂は、愛する者たちの傍らに在り続ける―――。