あらすじ
周囲の過度な期待に耐えられなくなったアルファーー暁月凛(あかつき りん)は、知らない電車に乗り込み、逃避行を計った。
見知らぬ風景。
見知らぬ土地。
見知らぬ海で出会ったのは、宵月蜜希(よいつき みつき)――番持ちの、オメガだった。
「あははは、暁月くんは面白いなぁ」
「ありがとうね、暁月くん」
「生意気だなぁ」
オメガとは思えないほど真っすぐ立つ蜜希。
大人としての余裕を持つ彼に、凛は自分がアルファであることを忘れるほど、穏やかな気持ちで日々を過ごしていく。
しかし、蜜希の初めての発情期を見た凛は、全身を駆け巡る欲に自分がアルファであることを思い出す。
蜜希と自分が”運命の番”だと知った凛は、恋を自覚した瞬間失恋していたことを知る。
「あの人の番は、どんな人なんだろう」
愛された蜜希は、きっと甘くて可愛らしい。
凛は蜜希への秘めた想いを抱えながら、蜜希を支えることを決意する。
しかし、蜜希の番が訳ありだと知った凛は、怒り、震え――同時に、自分がアルファである事を現実は無情にも突き付けて来る。
「凛さん。遊びは終わりです。帰りますよ」
強引に蜜希と引き剥がされる凛。
その凛の姿と、彼の想いを聞いていた蜜希の心は揺れ――。
オメガバースの世界で生きる、運命の二人の逃避行。