あらすじ
鎌倉の夜――。
少女・円城あかりは、姉を襲った惨劇の中で、ひとつの光に導かれた。
目を開けると、そこは現世と彼岸のあわいに漂う、静謐な寺院――“虚空竜宮寺”。
灯籠の炎が揺らめく中、あかりは一人の僧と出会う。
名は慈孝。そして、炎の如き怒りを湛えた神――不動明王。
「今、この世界には“25体の悪縁鬼”が放たれている。
人の心に巣くい、絆を壊し、愛を歪める存在だ。」
その言葉が、あかりの運命を動かす。
姉を救うために――
そして、人々を縛る“悪縁”を断ち切るために。
あかりは不動明王と契り、炎を宿す“蓮華姫”として覚醒する。
彼女の刃は祈りの化身。
燃え上がる紅蓮の炎は、誰かを傷つけるためではなく、
誰かを“救うため”に燃える。
やがて、同じ宿命を背負う仲間たちが現れる。
千手観音の慈悲を継ぐ蓮華姫、
地蔵の微笑を映す少女、
星を見つめる虚空蔵の瞳、
智を放つ文殊の刃――。
四方に散った“悪縁鬼”は、
絶望、嫉妬、恐怖、虚無、そして無明。
それぞれが人の心の闇から生まれ、
現代に災いをもたらしていた。
「縁を断つことは、誰かを救うこと。
けれど、力を振るうたびに――自らの縁が消えていく。」
その代償を知りながらも、あかりは剣を握る。
迷い、祈り、涙しながら。
そして、炎の奥で確かに感じる。
――この痛みこそ、人を愛するということ。
燃える刃が魂を焦がし、
祈りが闇を照らす。
それは、縁と心をめぐる輪廻の物語。
少女たちの戦いは、世界を救うよりも、
“ひとりの心”を救うために始まった。
『蓮華姫退魔録 第一章:不動明王編〜悪縁断つ紅蓮の刃〜』
――不動明王の炎が、現代に放たれた25の悪縁を焼き尽くす。
祈りの炎が、あなたの心にも灯る――。