あらすじ
かつて“粛清者ロゼ”と呼ばれたエリス・レイノルズは、今や慈善と薬で人々を救う聖女として知られているが、その本質は腐敗を許さぬ冷徹な正義の執行者。彼女のもとに届いた報告書が、ある女性――クラリス・エルメリアの悲劇を浮かび上がらせる。
クラリスは、かつて領地を救った功績から子爵家に嫁いだが、夫レオナルドからは侮辱と無視、義父の死後は完全な孤立を強いられる。誠実に民のため尽くし続けた彼女はやがて全ての居場所を失う。
クラリスは最後まで声を上げなかった。その沈黙こそが、最も鋭い刃となって偽りを砕いたのだ。そして彼女のもとに届いたのは、再出発のための薬と手紙。新たな地で、再び人々を救うために―