あらすじ
貴族の三男として生まれた僕、ルーク。
十五歳の“審判”で授かったスキルは、【掘る】だけ。
ただ、ひたすらに、土や岩を掘り進むだけの、最低ランクのF級スキル。
「我が家の恥晒しめ。せめて、遠い辺境の地でも開拓してこい」
父からそう言い渡され、事実上の追放を言い渡された僕が与えられたのは、痩せこけた馬一頭と、一本の古いシャベルだけだった。
見渡す限りの、荒れ果てた大地。
モンスターが跋扈し、夜は凍えるほど寒い。
英雄になんてなれない。世界を救うなんて夢のまた夢だ。
――まずは、今夜を生き延びるための、小さな横穴を掘ろう。
風を凌げる、雨に濡れない、僕だけの、小さな“家”を。
それが、全ての始まりだった。
僕の【掘る】スキルは、ただの穴掘りじゃなかった。
掘れば、清らかな水脈に突き当たる。
掘れば、温かい温泉が湧き出る。
掘れば、魔力を帯びた鉱石が顔を出す。
そして、掘り進めた先には、神々さえ忘れた古代の遺跡が眠っていた。
これは、誰にも期待されなかった少年が、たった一つの地味なスキルで、自分だけの居場所を作り、いつしか、同じように居場所のなかった者たちが集う、世界で最も豊かで、最も安全な“地下の国”を築き上げてしまう物語。