あらすじ
その男、ラントシュタイヒャーは、ドラニア王国西方で盗賊団を襲うことで有名な、盗賊狩り専門の冒険者だ。かつて貴族として名誉を重んじた騎士だったが、教会との抗争で主君を失い、「浮浪者」と呼ばれるアウトローに堕ちた。血まみれのウォーハンマーを手に、降伏を懇願する盗賊を頭蓋ごと砕き、子供さえ「戦士」と見なして容赦なく殺す彼は、冷酷で現実的な殺人者である。戦闘を楽しむ歪んだ喜びと敵を殺す都度に優越感を抱く、しかし、名誉を失った後も主君の紋章が描かれた擦り切れたケープを纏う執着を見せる。死体から金品を略奪しつつ、神に許しを請う祈りを捧げる彼は、信仰と罪の間で揺れる矛盾した獣の一頭だ。
物語は、魔王討伐後の平和なドラニア王国で展開する。貴族が分割統治し、教会に操られた傀儡国王が支配するこの世界では、冒険者ギルドがかつての戦争で力を増したものの、平和な時代に社会不適合者と見なされる。山野で、荒れ地で、街道では盗賊が跋扈し、彼らは無辜の者を暴力で収奪して生き延び、時に格上の暴力によって奪われ、そして死ぬ。戦後の混乱が残る中、名誉や信仰は形骸化し、生存のための略奪と殺戮が日常と化している。