あらすじ
主人公・水守 椿(28)は、架空の地方都市「霞が関市」の財政課に勤める事務員。彼女の仕事は、膨大な伝票処理とデータ入力。市の財政赤字が深刻で、財政が硬直化していることを「数字」として知っているが、上司に言われるまま、市長が推進する効果不明な「キラキラ未来創造事業(という名の公共事業)」の伝票を処理するだけの日々。趣味は、1円単位まで合わせる完璧な家計簿をつけること。
亡くなった祖父(元・会計検査院の職員)の遺品から、赤線だらけの古い『財政学入門』を発見する。そこには「財政とは、血税という国民の信託の最適配分である。数字は嘘をつかない。嘘をつくのは、その数字を作る人間だ」という祖父の書き込みがあった。