あらすじ
大学で絵を学ぶ秋は、友人の昌哉に連れられて訪れたレコード屋で怜と名乗る美しい青年に出会う。絵画の中から飛び出してきたようなその姿に、視線も、心も奪われてしまう。煙草を咥え、退屈そうにカウンターに座る怜の姿は、まるで水面に映る月のように掴みどころがなく、その美しさに秋の心は千切れそうになる。これまで自分のすべてだった「絵」のことよりも、頭の中は怜のことでいっぱいになってしまう。
抑えきれない衝動、甘い痛み、狂おしいほどの想いが秋の内側に渦巻いていく。淡々としているようでいて、言葉にできない危険な色気が漂う怜。彼が何か秘密を抱えているような気配が、どこかに感じられる。謎めいた怜との出会いが、秋の世界の色を変えていく。
☺︎「Crush」は、以前短編として書いていたのですが、どうしても続きを描きたくなり、今回長編として制作しました。
クローバーという作品を書き始めたときに、もうひとつの候補として考えていたストーリーです。クローバーをお読みいただいた方には、設定が少し重なる部分もあるかもしれませんが、まったく違うお話になりましたので、ぜひ楽しんでいただけたらと思います。
久しぶりに(自分としては…)まっすぐに恋愛のお話を書きました。読んでくれた方の心に少しでも残る作品になれば嬉しいです。よろしくお願いします!