あらすじ
三十九歳、独身。
八カ国語を操るエリートサラリーマン・高槻誠司(たかつきせいじ)は、仕事一筋の“語学おじさん”だった。
だがある日、出張で向かう空港で一人の迷子の少女を助けたことが、彼の人生を変える。
少女の親を待つために飛行機を一本遅らせ――そして、その「次の便」が墜落した。
目を覚ますと、そこは真っ白な空間。
目の前には天使のような女神。
彼女は困ったように言う。
「あなた、本来は転生する予定のない“イレギュラー”です」
本来ならスキルを授かるはずが、彼には何も与えられない。
だが女神はその善意を見て言った。
「あなたには“私の加護”を授けましょう。
言葉を信じる限り、それは必ず力になります」
――そうして誠司は、異世界へ転生する。
チートもスキルもない。だが、語学力だけは本物だった。
森で出会ったのは人間ではなく魔族。
捕まり、尋問されるかと思いきや――
なぜかその語学センスと交渉力を買われ、「魔王軍の通訳官」としてスカウトされてしまう!
剣も魔法も使えないおじさんが、
言葉の力で異世界を生き抜く。
相手の心を読み、嘘の裏を見抜き、
やがてその声が“戦争を止める鍵”になる。
スキルなし・チートなし。
それでも彼は、自分の得意分野を武器に挑む。
人間と魔族――二つの種族の橋渡しとして。
そして何より、“誰かと繋がる”ことを信じて。
「異世界転生したら魔王軍の通訳官でした」
――これは、語学おじさんが“言葉で世界を変える”物語。
派手さはなくても、地に足ついた努力と優しさで、彼は今日も異世界の会議室を駆け回る。