あらすじ
かつて――魔界の頂点に立った存在がいた。
その名は、ただ「魔王」。
神をも滅ぼし、理をも従えた究極の王。
だが、果てしない戦いの末、彼が求めたのは支配でも栄光でもなく――静かな終焉だった。
最期の戦いで彼を封じたのは、ひとりの人間、勇者リアン・グラン=アーク。
リアンの放った封印術は確かに世界から魔王を排除した……はずだった。
だが、世界は彼を拒絶しきれなかった。
理が軋み、封印は“滅び”ではなく“転送”へと変質する。
そして、魔王は――別の世界へと落ちた。
目を覚ました彼が名乗ったのは、「魔王」。
だが、周囲の人々には「マオ」としか聞こえなかった。
その誤解はそのまま彼の名となり、戸籍にも「マオ」とだけ記される。
ここは、異能都市・久遠(くおん)。
人々が超常の力を“異能”として扱い、理と感情が共存する街。
マオは、異能者たちが通う学園――久遠学園で新たな生活を始める。
穏やかな日常。
不思議な少女との出会い。
だがその裏で、彼の中に眠る“何か”が静かに揺らめき始めていた――。
――これは、かつて世界を滅ぼした王が、
一人の少年「マオ」として、“日常”を学び直す物語。