あらすじ
放課後、ひとり教室に残っていた女子高生・汐音(しおね)は、翌朝、世界がわずかに「ずれて」いることに気づく。
教室に入ると、そこにいたのは――全員、自分自身。
顔も声も、口調も記憶も、まったく同じ。
しかも「偽の汐音」たちは、それを異常とも思わず、平然と日常を続けている。
教師も、友人も、SNSのコメントまでもが「汐音」で埋め尽くされていく。
やがて、唯一“本物”であるはずの自分の存在証明が、世界から少しずつ消えていく。
だが、崩壊する現実の中で、汐音は気づく――
「最初に誰かを真似たのは、私のほうだったのかもしれない」
「自己」という曖昧な輪郭が溶けていく。