あらすじ
ーー誰もわたしのことなんて理解できるわけない
初恋の保泉誠(ほずみまこと)を事故で失った藍川夏希(あいかわなつき)はひとり失意の底にいた。
小学校高学年の夏希にとって、将来の約束までした男の子との別れはすぐに忘れられる出来事ではなかった。
彩(いろ)を失い、精神的に限界まで追いつめられた夏希は自暴自棄になる直前に決意をする。
ーーきょうが終わったら、ぜんぶ忘れよう。
微かに灯る藍の炎は、いま正に風前の灯となっていた。
だが、亡くなった保泉誠には矢上真(やがみまこと)という親友がいたことを知り、球場へ足を運びはじめる。
変わらぬスタイルを貫き野球を続ける矢上真の姿に触れるうちに、夏希は信じるものを見つけていく。
そして彼女は再び藍の輝きを灯す。
その光は静かに増し、すべてを超えていける強さへと変わっていった。