あらすじ
異世界から召喚された勇者、カイ・アシュラ。元・社畜である彼は、魔王を討伐すれば元の世界へ帰れるという王国の甘言を信じ、三年間戦い続けた。
しかし、その言葉は真っ赤な嘘だった。彼を召喚した王国は、帰還の術を持たないカイを道具として使い捨てようとした、異世界テロリストに他ならない。家族との繋がりを断たれた絶望と怒りから、カイは王国への苛烈な復讐を誓う。
魔王討伐を果たした直後、カイは驚愕の真実を知る。先代魔王ルキウス・クロノスもまた、かつて王国に召喚された「勇者」であり、戦争を終わらせるためにあえて「絶対的な抑止力」としての魔王となった、もう一人の被害者だったのだ。
ルキウスの遺志と、自身の復讐の炎を重ねたカイは、自身のチートスキル【全能改変(イージス・ゼロ)】を発動する。このスキルは、筆跡や魔力鑑定はおろか、「魂の刻印」すらも偽造し、真実の形を書き換える禁忌の力。
カイは、その力で魔王の遺言書を偽造し、「新たな魔王」として魔王国の玉座を強奪する。
彼の目的はただ一つ。魔王の力を利用して異世界召喚システムを根絶すること、そして自分を拉致し道具とした王国へ徹底的な裁きを下す、報復の王道を征くこと。
しかし、その玉座は偽りの上で成り立っている。
遺言の真偽を疑う魔王国幹部たち、偽りを暴く『真実の鏡』の出現、そして、カイを召喚した張本人である聖女エリスが和平を装って魔王城へ迫る。
偽造が露見すれば、即座に処刑。裏切りと策略渦巻く魔王の玉座で、“勇者の皮を被った魔王”カイ・アシュラは、命がけの水面下の戦いを開始する。