あらすじ
子爵令嬢アメリアの願いはただ一つ。
「誰にも見つからず、ひっそり静かに暮らすこと」。
極度のコミュ障でぼっち体質な彼女は、王宮の誰も使わない隅っこの小部屋で、毒見役として地味な日々を送っていた。
特別な才能で「毒がない」と判定した王宮の豪華な残り物を東方から取り寄せた鰹出汁や塩麴でアレンジした「地味飯」にして食べるのが、彼女にとって最高の癒しだった。
そんなある日、王宮で最も華やかで恐れられる氷の貴公子、第二王子レオンハルトと遭遇してしまう。完璧だが重度の偏食家である彼は、アメリアの地味飯に衝撃を受け、「君は私の心の安息だ。地味飯の腕は国の宝だ!」と、彼女を専属の料理人兼秘書として、静かな屋敷に囲い込む。
地味な生活を守りたいアメリアと、地味飯への感謝を無自覚な全力溺愛で表現するレオンハルト。彼の過剰な溺愛は、「静かな田舎暮らし」を願うアメリアの夢を次々と破壊していく。
騎士団による地味な親切心すら、王子の究極の執着を加速させる燃料となり、気づけばアメリアは公爵令嬢に推薦され、最も嫌いな社交界デビューの危機に立たされる。
地味飯は地味に効きすぎたのだ。
王子の溺愛と周囲の勘違いを乗り越え、アメリアは本当に望む「王宮の隅っこ」の平和なスローライフを手に入れられるのか?