あらすじ
守法人……それは、法の番人である。
この世界は女神の意思に則った法で治められている。
周知は必要無い。
何故なら、この世界には魔法があり、国毎に法治結界と呼ばれるシステムで、監視を行っているからだ。
全ての人たちの右手の甲にある審判印【シイル】と呼ばれる斑文の色で、法律を犯してしまう前に審判【ジャッチメント】が行われて警告が為される。それも無視した場合は、法の侵した度合いで審罰【パニッシュメント】が下されるのだ。
審罰は、静電気程のピリッとしたものから、痺れ……心停止……死に至る場合もある恐ろしいものだ。
言葉は必要無い。法治結界の中に入った時点でジャッジメントに了承したとみなされ、右手にその国のジャッジメントが、現れる。
ジャッチメント自体は、この世界の理【プリンシプル】であったが、10年ほど前に各国独自のジャッチメントが開発され、国がこぞって自国に有利な法律を作ったという。まぁ自国にしか強制出来ないし、大元の【プリンシプル】から反した法は作れない。
それでもジャッジメントのお陰で犯罪率は少ない。国同士の争いも表面上は殆どない。
皆が法を守らざるを得ない世界。素晴らしい犯罪のない世界……と、統治者は宣っているが、実際はそうじゃない。
厳格すぎる法律は、誰もが身動きが取れなくなってしまう為、細部まで決められているわけではない。裁量が必要な部分や例外というものもある。
と言うわけで、法の目を掻い潜り、又は逆手に取り、悪さをする奴もいる。
どんな法律でも抜け穴はあるのだ。
完璧な法など存在しない。
ただ、グレーゾーンと言われる抜け穴を埋め、神の意図を汲んだ法を作るのが、守法人の本来の役目である。
ただ、守法人も人である。
グレーゾーンを、真っ白に変えてしまう者は、正の守法人と呼べば、グレーゾーンを限りなく黒近くまで法を変えてしまう者は、裏の守法人と呼ばれる。
「私に法を変えさせたいのであれば、相応の対価を」
天使の様な見た目とは裏腹に、挑発的に毒を吐くリアラスタは、守法人である。
果たして、彼女はどちらの守法人なのか……?
※日本の法律とは全く異なります。ファンタジーとしてご理解をお願いします。
※他の作品と世界観が違いますが、魔法や魔道具なんでもありな世界です。
※三人称で書いているつもりです。三人称がクセのある方かもしれません。ご了承下さい。