あらすじ
文久三年、江戸・玄武館。道場娘の千葉佐那は、刃を抜かず人を護る剣を信じていた。
雨夜、京ことばの密偵・紅蓮椛を匿った瞬間、彼女の剣は歴史に触れる。
追う浪士、迫る検分、新選組の眼。禁門の余燼、大政奉還、会津、箱館──時代は二人を敵味方に裂き、恋は任務を蝕む。
斬れば救える場面でも、彼女たちは“握りを外し、道を通す”ことを選ぶ。
その選択の代償は、遅れて届く手紙、別行動の夜、信じきれない嘘。
そして、誰も殺さずに勝つための新しい型「白紅相聞」。
剣か、恋か。二人が払う賭け金は、未来に通じる無血の作法。
・千葉佐那:北辰一刀流の道場娘。剣を抜かずに護る信念を貫く静かな炎。
・紅蓮 椛:祇園出の密偵。薙刀の曲線で嘘を抱き、愛で真実を切り拓く。
・沖田総司:新選組一番隊長。笑みの奥で、斬ると護るの境を見つめる鏡。
・永倉新八:北辰一刀流の門弟。佐那の兄弟子として、現実の重さを教える剣。
・中野竹子:会津の薙刀士。潔く散る覚悟で、ふたりに“生きて護る”道を示す。