あらすじ

誰もが知る、友情の美談『走れメロス』。 だが、その物語の「その後」を、誰も知らない。 暴君ディオニスは改心していなかった。彼はメロスの友情を「感動の神話」に仕立て上げ、人々を支配する新たなシステ ムを構築。シラクスの街は「信頼」と「友情」を強制する、一見平和だが息苦しい社会へと変貌していた。 「生きた英雄」として宮殿に囲われたメロスは、自らの真実が歪められ、感動の商品として消費される日々に魂をすり減 らしていく。 ついに王に反旗を翻したメロスに、王は不敵な笑みで「勝負」を提案する。 「三日間で、誰か一人でもお前の『真実』を信じる者を見つけられたら、お前の勝ちだ。だが、敗ければ、お前の魂は永 遠に俺のものだ」と。 かくして、メロスの二度目の、そして最後の「徒競走」が始まった。 しかし、彼が対峙したのは、王の軍勢ではなかった。心地よい物語に浸り、真実を拒絶する民衆の冷たい壁、そして、か つて命を救ったはずの親友の、決定的な裏切りだった。 これは、友情を証明するために走った英雄が、その友情から逃れるために再び走り、そして敗れる物語。 真実とは何か、感動とは何かを問う、ほろ苦い現代の寓話。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2025/10/28
  • 現在の作品消費される英雄  ~~ 友情の終わり ~~