あらすじ
改革の風を起こした玲衡(れいけい)に、突如として「異国商人との癒着疑惑」がかけられる。
提出された文書には彼女の筆跡を真似た偽証。
庁の重臣たちは理(ことわり)を恐れ、文(秩序)を守るために一人の 女官を切り捨てる。
それでも玲衡は、理は冷たくないと信じ続けた。
冬の夕暮れ、彼女を見送るサヒルが言う。
「風は壁を恐れません。壁のほうが、風を恐れる。」
玲衡は振り返らずに答える。
「理が潰えるなら、私ごとでいい。」
――文で理を封じた国に、風の神は沈黙する。
けれどその沈黙こそが、新しい理の始まりだった。