あらすじ

『見守り介護サービス』

湯気の立つポット
青いテレビの光が
畳の上でゆらめく

誰もいない部屋に
かすかに残る石鹸の匂い
昨日、介護員が洗ってくれた
マグカップの光沢が
まだ温かい

カメラの目が見ている
無言のまなざし
「おはよう」と声をかけたくなる
その先に、人の心がある気がして

週に一度の訪問のたび
人の声は季節の風みたいに吹き抜ける
「どうです、調子は?」
「ぼちぼちですよ」
――それだけの会話が
一日の形を整える

見守られるということは
支配でも、干渉でもない
静かに寄り添う
“生きている証”の灯り

今日も湯を沸かす
香ばしい茶の香が
ゆっくり部屋に広がっていく
その香りを嗅ぎながら
思う――

独りでいても
誰かの時間の中で
私は、まだ
生きている。

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アルファポリス
アルファポリス2025/10/28
  • 現在の作品『見守り介護サービス』