あらすじ

文化祭ライブまで、あと三日。 完成しないオリジナル曲。足りないのは「深さ」だった。 「悲しいけど、綺麗で、沈んでいくような音が欲しいの」 弱視の少女・芳子がそうつぶやいたとき、 透真は冗談めかして言った。 「平家の落人みたいな?」 一瞬、空気が止まる。 芳一の指がギターの弦の上で凍りついた。 「……平家? あそこ、夜になると音がするんだよ」 鈴のようで、波のようで―― 海の底から誰かが呼んでいるような音。 透真は笑い飛ばそうとした。 けれど、芳子の声には、どこか祈りにも似た震えがあった。 「その音を聴いてると、涙が出そうになるの。 まるで“もう一度、聴いて”って言ってるみたいで」 文化祭の夜、彼女のギターが紡ぐ旋律は、 “この世”と“あの世”をつなぐ呼び声になる――。 現代の“耳なし芳一”が奏でる、音と祈りの青春怪談。

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小説を読もう2025/10/27
  • 現在の作品目に見えぬ旋律(メロディ)―現代版・耳なし芳一―