あらすじ
かつて炭鉱で栄えた地方都市・桜井町。いまや人口減少にあえぐその町で、小さな「桜井市立図書館」の貸出記録が不自然に書き換えられていることに気づいたのは、地元紙の若手記者・水原啓だった。
古い蔵書の履歴に、存在しない利用者の名前が浮かび上がり、貸出日が事件の発生日と重なっていた。啓は興味本位で調べ始めたが、その背後には、被害者支援を掲げる地元NPOと、彼らを資金面で支援する企業の“見えない関係”が潜んでいた。
やがて、図書館司書の古谷麻里が何かを隠していると直感した啓は、図書館の「最後の貸出帳」を入手する。だがそこに残っていた“決定的な名前”は、自分自身——水原啓——のものだった。