あらすじ
帝都大学に招かれた令嬢探偵・朝霧椿子は、「証言と記憶」をテーマに講義を行う中で、 美術資料室に保管された“無銘の白面”と、そこに添えられた謎の警告文に出会う。
「語る者は、沈黙に試される」
その翌日、講義に出席していた学生・久我原透が失踪。 彼は、戦前に大学で封印された“仮面の記憶事件”に関心を寄せていた。 資料室では仮面の配置が変わり、記録台帳が改ざんされていた。 透の祖父・久我原宗一は、かつてその事件の渦中にいた人物だった。
椿子は、大学関係者の沈黙と資料の改ざんの痕跡を辿り、 旧記録室で封印された原本と透の遺したノートを発見する。
「語られた記憶は、誰かの沈黙を壊す。 でも、語られなかった記憶は、誰かを消す。」
透は、祖父の沈黙を受け継ぎながらも、語ることに踏み出そうとしていた。 だがその重さに耐えきれず、姿を消す。
椿子は、彼の沈黙を“語る”ことで受け継ぎ、 大学の講義室で封印された記憶を静かに明かす。