あらすじ
子爵令嬢アリス・ルコントには秘密がある。それは、周囲の人間を誘惑し、生気を奪う”夢魔の血”を引いていること。生気が失われると発情してしまう体質のせいで、夜ごと仮面舞踏会で一夜の契りを結ぶアリス。噂好きの社交界では、好色で寂しがり屋の”うさぎ令嬢”という悪名で知れ渡っていた。孤独に苛まれ、死にたくてたまらない毎日――。
そんな折、次期公爵キース・クロフォードとの婚約が決まった。愛のない関係と分かってはいても、婚約者がアリスの心を見てくれますようにと夢を見ずにはいられなかった。ついに顔合わせもしないまま迎えた婚約の儀。そこでキースが放った一言は、アリスを絶望させるのに十分だった。「あなたのことは知っている。あなたがこの婚約に何を望んでいるかは知らないが、クロフォードの名を貶めるのなら容赦はしない」