あらすじ
夜の海に落ちてきたのは、星でも隕石でもなく、ひとりの少女だった。
泡のように透き通り、月に照らされて淡く光る彼女は、自分の名前も、どこから来たのかも覚えていない。ただひとつ、夜明けとともに姿が薄れていくという事実だけが、儚く彼女を縛っていた。
海辺で静かに暮らす青年と、その膝で眠る白猫。
偶然のようで、運命のような出会いが、三つの命をそっと繋ぐ。
触れようとするとすり抜けてしまう彼女。
それでも守りたいと願う青年。
泡の少女は、夜が終わらないことを祈り、彼の名を呼ぶ。
夜明けまでの限られた時間。
秘密と恋が重なり合い、月と海がふたりの未来を試す。
泡は消えるのか。
それとも、奇跡に変わるのか。
儚い夜にほどけては、また結ばれる光の恋物語。