あらすじ
魔法が特別だった時代は過去のものとなり、魔女は稀有な存在となった。
不便で、非効率で、ひどく現実的な魔法の力。
それでも、魔法を奇跡のような力と信じる者は多く、人々はそこに多くを望んだ。
「世界が平和になりますように」
「病気が治りますように」
「子供達を守ってください」
「私に使い切れないほどの富を」
「美味しいご飯をお腹いっぱい食べたい」
「恵みの雨を降らせて」
「憎らしい敵どもを蹴散らしてくれ」
「私に、私たちに、どうか救いを」
しかし、魔女は神ではなく、彼女たちの魔法にそんな力はなかった。
そして、魔女たちは特別を願う。
自身から湧き出る願い、愛する者のための願い、押し付けられる願い。
それら全ての願いに強いられ、魔女は唯一無二の力を手にする。
彼女たちはかくして『大魔女』となる。多くの犠牲と、その身宿る呪いと引き換えに。
数少ない魔女の中でも、さらに特別視される大魔女。
その力と呪いに翻弄され、自身の無力さに苦しみ、助けた人たちの言葉に救われて。
様々な出来事と感情に飲まれながらも、大魔女たちは生きていく。
大魔女の一人、『薬草の大魔女』リクリスは、その生涯の中で多くの人や種族、異形、そして同胞の大魔女と出会う。
そんな彼女と共に歩む物語。