あらすじ
--我、勇者。
英雄となるべく定められた“期待の星”。
人類の希望をその背に担う“光の剣”。
神託を受けし“聖なる徒”。
勇者の登場とともに数多の比喩表現も誕生したが、その実は変わっていない。
魔王を滅ぼすという、たったひとつの願いに具現された存在、それが勇者だと思っている。
では、魔王とは何者か。
それは定かではない。
いつからか人類に仇なす敵として現れた存在。
いや、それ以前から在ったのかもしれない。
人類史をさかのぼるよりも遥か昔から。
邪神の眷属、という説が有力とされてはいる。
だが、その正体は明らかにされていない。
語られることは多くとも、根拠はない。
すべては想像であり空想、空疎な御伽噺でしかない。
なぜなら、魔王と相対し、生還した者が存在しないのだから。
我、以外にな。
これは、真の勇者たる我の物語。