あらすじ
1945年8月15日、日本は第二次世界大戦に敗れた。しかし、ソ連は日本が降伏してもなお侵攻を続け、満州や千島列島、そして北日本を占領した。それから2ヶ月後の10月8日、日本列島は北緯37度を挟んで南に日本国、北に日本民主共和国が成立した。北日本との国境のすぐ近くにある長岡市に暮らす湯河原志木は、ある日思い立って北へ向かった。国境のすぐ近くの場所には高さ3メートルはある古びた有刺鉄線が立ちはだかり、奥に行けなくなっていた。志木はふと大きな穴がある樹木があるのに気づき、穴の中を覗き込んだ。すると、その瞬間志木は足を滑らせて穴の中へ落ちてしまった。志木はその後東京の住宅街で目を覚まし、自分のことを心配している榎本彩という女性の家で休むことになった。彩の家でテレビを見ると、あるニュース番組で天気予報がやっていた。しかし、志木はそれを見てすぐに違和感を覚えた。なんと、天気予報では南日本と北日本の天気を一緒に予報していたのだ。
「あの……大丈夫ですか……?」
混乱する志木を見て、彩が志木に声を掛ける。
「このニュース、おかしくないですか?」
志木はこの混乱を誰かに伝えて落ち着きたいと思ったのか、彩にそう問いかける。
「おかしい?何か変ですか?」
「だって、このニュースの天気予報、まるで北日本と南日本が同じ国のように書かれてますよ」
彩は志木の言葉に首をかしげる。そして、口を開いた。
「……?同じ国も何も、日本は全部1つの国ですよ」