あらすじ
短大を卒業してから典型的なブラック企業に勤め、気づけば五年。 OL・桐下いのむの心身はすでに限界に近づいていた。
追い打ちをかけるように、最近彼女を苛む深刻な悩みがある。 ――毎晩、悪霊に追われる悪夢を見るのだ。 逃げても逃げても、夢の中で悪霊との距離は縮まっていく。 当然、睡眠の質は最悪。まともな休息は取れず、脳は働かず、仕事のミスは増える一方。 上司からも部下からも罵倒され、ついに桐下の精神は崩壊寸前に達した。
ある朝、彼女は会社を無断欠勤し、衝動的に街へ飛び出す。 当てもなく彷徨う中、ひとりの男に呼び止められる。 自らを霊媒師と名乗るその男は、桐下にこう告げた。
「今からしっかり飯を食って、風呂に入り、ストレッチをして八時間眠れ。 それが――お前が唯一生き残れる道だ」
半信半疑のまま、桐下は奇妙な“健康指導”に従うことになる。 桐下(の健康)と悪霊、時々霊媒師との、前代未聞の戦いが今、幕を開ける――。