あらすじ
昭和十一年、戦争の足音が帝都を覆い始めた時代。
民間出身の陸軍士官・藤堂真は、異例の人事で極秘情報機関「桜機関」へと異動を命じられる。
そこは、国家のために“真実を作る”組織――外交・報道・軍のすべてを裏から統制する、影の諜報部門だった。
冷徹な統括官・結城中佐、現場指揮官・三輪大尉、
そして謎めいた女性諜報員・柊里緒。
藤堂は、彼らの冷たい合理の中で次第に“国家の闇”へと引きずり込まれていく。
「国は滅びても、記録は死なない。」
真実を消そうとした国と、
それを綴り続けた人々の物語――
静かに燃える“記録のスパイ譚”。