あらすじ
東京近郊、『M』市。
山際の地方都市で、久遠と鷲尾、三十代の男ふたりが再会する。
高校時代に恋人同士だった二人は、今は市職員と解体業者。
十年前から跋扈する『怪異』を解体するため、バディを組むことになったのだ。
現場は、虐待事件で廃業した老人ホーム跡。
立入禁止のフェンスの向こうでは、夜ごと人が落ちて死ぬ。
「白い服の人を見た」という噂、焼けた薬指。
調べるうち、彼らは廃墟の奥に隠された『ある場所』を見つける。
ふたりの息はあっていくが、学生のころには戻れない。
破局、のち、バディ。
修復しきれないふたりが現実と怪異のあいだを歩く、冷たい廃墟譚。
■ 久遠 怜司(くおん・れいじ)
M市役所・生活安全課「あやしい係」職員。三十四歳。
県庁出向で災害調査を経験し、説明不能な現象に触れた過去を持つ。
理屈と書類で世界を測るが、怪異に最も近い位置にいる。
鷲尾の元先輩。
■ 鷲尾 修二(わしお・しゅうじ)
地元の解体業者〈コンドル工務店〉主任。三十二歳。
飄々と見えて現場勘は鋭く、怪異にも動じないタイプ。
高校時代の恋人・久遠と十数年ぶりに再会し、危険な現場に踏み込む。
大阪出身。