あらすじ
婚約者を奪った女と一緒に異世界へ召喚された、元貴族令嬢リディア。
聖女として呼ばれたはずなのに、測定の儀で“魔力ゼロ”と判定され、無能の烙印を押される。
婚約者も女も、王も、誰一人としてリディアを信じなかった。
――けれど、本当に“無能”だったのは彼女の方ではなかった。
追放された辺境の村で、リディアは人々の苦しみに寄り添いながら祈りを捧げる。
するとその手から、あたたかな光があふれ出し――傷が癒え、作物が芽吹き、枯れた地に“風”が吹いた。
それは神の加護。
リディアこそが、“本物の聖女”だったのだ。
王都で栄光を誇った偽りの聖女が真実を暴かれ、追放されるころ――
辺境では、ひとりの祈りが奇跡を呼び、村と人々を救っていた。
静かな村に吹く風、優しい祈り、そして彼女を支える青年領主アレン。
「誰かの幸福を願うこと」こそが、真の奇跡だと知る物語。