あらすじ
――探さなきゃ。
――探さなきゃいけない。
――大切なもの。だいすきだったのに、忘れてしまったもの。
目が覚めると、そこは色が失われた透明な世界だった。目に映るものすべてに色味がなく、ただ雨だけが降り続く、異質でおだやかな世界。自分は誰だったのか名前を忘れ戸惑う私のもとに、一匹のトカゲが現れる。彼からわたしが《イロナシ》と呼ばれる存在になってしまったことを知らされる。
「どうすれば、わたしはもとの世界にもどれるの?」
「オマエがもとの世界に戻るには、オマエの色―思い出を取り戻す必要がある」
思い出なんていったいなんの意味があるというのだろう。ガラスで覆われた部屋に閉じ込められたまま私は一人、物思う。私はいったい誰だったのか。
雨の図書館、色のない庭園、そして忘却の駅
――わたしは、かつての自分を探す旅に出る。
雨が降り続く透明な世界で紡がれる、自分の色―セカイを取り戻す数日の冒険譚。
「わたしの過去は価値あるものだったのかな……」
「トカゲのオレにきくんじゃねぇよ」
【ミッション】
あなたの色を思い出し、雨の降るガラス世界から抜け出してください。