あらすじ
誰にも言えない気持ちを、音にすることしかできなくなった。
高校2年生の春、音楽室のピアノをぎこちなく弾くクラスメイト、瀬戸に心を奪われた奏かなで。
何気ない笑顔、ふとした沈黙、指先の震え—。
すべてが旋律になって、奏の心に流れ込んでいく。
けれど、それは決して「好き」と言ってしまってはいけない想いだった。
言葉にすれば壊れてしまう。
だから、奏は自分の恋心を曲に変えて、そっと閉じ込めた。
これは声に出せなかった片思いの話。
君に届かないまま終わった、僕だけのラブソングじゃないラブソング。
それでも、僕はきっとあの日の音を一生忘れない。