あらすじ
魔族が人間を支配する異世界に転生したアロイヴ。
神から与えられた称号〈魔王の生贄〉は、アロイヴが世界から死を望まれている証だった。
何年も教会の離れに軟禁され、生贄として殺されるのを待つだけの日々。そんなある日、アロイヴの部屋に一匹の黒い小さな獣が飛び込んでくる。
アロイヴが〈紫紺〉と名付けた獣との出会いから、事態は思わぬほうへと転がっていって――。
魔王の生贄とはなんなのか。
アロイヴがこの世界に転生した理由とは。
教会はいったい何を企んでいるのか。
紫紺の正体とは。
さまざまな謎に振り回されながら、一人と一匹が幸せを掴むまでのお話です。
小さな黒狐(人化あり)×魔王の生贄
攻めは最初小さい獣ですが、将来的に受けより大きくなります。
不憫な展開もありますが、最終的にはハッピーエンドです。
※性描写が含まれる話数は非公開となります
※以下コンテスト用のあらすじのため、結末までのネタバレが含まれます
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【あらすじ】
魔族が支配する異世界に転生したアロイヴが神から与えられた称号は〈魔王の生贄〉――それはこの世界に命を拒まれた証だった。
十年ものあいだ教会の離れに軟禁され、生贄として殺されるのを待つだけの日々。自分の命に価値を見出せず無気力に過ごしていたそんなアロイヴの目の前に、一匹の影狐が現れる。
紫紺と名付けたその獣との交流をきっかけに、運命は静かに動き出す。
教会が襲撃され、居場所を失ったアロイヴは紫紺と旅に出る。しかし旅の途中で助けた人に裏切られ、「誰も信じられない」と絶望を深めてしまう。逃亡の先で魔族フィリと出会うが、彼にすら心を開けず、ただ紫紺の存在だけを唯一の拠り所とする。
謎多き紫紺――だけど、いつもアロイヴを助けてくれるのは紫紺だった。
フィリ以外にサクサハが仲間に加わり、自分の命を狙っているのが教会だと知る。もはや人間の町では生きられないとわかり、アロイヴたちは魔族の町を目指す。
探索者としての新生活を始めようとするが、教会が勇者召喚で魔王討伐を企てていることが発覚する。探索者ギルドが襲撃され、サクサハが瀕死に。命をかけて彼を救ったアロイヴだったが、心は限界だった。
紫紺と二人で逃げたほうがいいのかもしれない――そう考えたのも束の間、自らの魔力が紫紺を蝕んでいると知ってしまう。大切な相手を守るために離れるしかないという、最も残酷な選択を迫られ、アロイヴは絶望の果てに「生贄として死ぬ」ことを選ぶ。
魔王城へ向かうアロイヴ。死を受け入れたはずが、「死にたくない」と心が叫んでいた。
その想いに応えるように、紫紺が魔王を襲撃する――しかし一撃で敗れ、命を落とすことに。
紫紺を喪ったアロイヴは抜け殻のようになる。
しかし現れた小さな獣に導かれ、異世界から召喚された勇者・竜己と出会う。彼との対話が、アロイヴに魔王への復讐を決意させる。
そして生贄となる日、魔王に剣を突き立てるアロイヴ。
だが魔王は無傷で、しかも紫紺しか呼ばない呼び名でアロイヴを呼んだ。
魔王の正体は、死んだはずの紫紺だったのだ。
紫紺が魔王であっても、生贄としての運命は変わらない――しかし、「死なずに生贄となる方法」があった。
アロイヴは新たな器となり、魔王の紫紺と結ばれ、共に生きる道を選ぶ。
だが、すべてが終わったわけではなかった。
かつて彼らを狙ったヴェアグロネズの断罪に立ち会い、迷いを見せる紫紺をかばうアロイヴ。
「弱さ」こそが「強さ」だと示し、ヴェアグロネズを打ち倒す。
祝宴の最中、アロイヴは称号が変わっていることを教えられる。そこには〈魔王のつがい〉――そして、〈黒い狐に愛されし者〉と記されていた。
紫紺の想いに涙するアロイヴは、これからもずっと傍にいることを誓い合ったのだった。