あらすじ
駒田麻理はWEB業界で働く28歳。同業種の夫と共働きで暮らしている。駆け出しのディレクターとして忙しい日々を送る彼女にとって、唯一のストレス発散はオンライン・ゲームに興じることだった。夜毎、WEB上で知り合った仲間達とファンタジー世界への冒険に出ることは、かけがえのない楽しみであり彩りだった。ある日、仲間の一人”蒼王子”が久し振りにゲームに参加するとわかり、麻理達ははしゃぐ。蒼王子はドイツに留学中の学生で、彼らの中心人物的な存在だった。久し振りに会う仲間達に、蒼王子は旅行に行ってきたと報告する。旅先のイタリアで、彼は不思議な廃教会に立ち寄ったという。そこには黒ずんだ絵が掲げられており、かろうじて薔薇が描かれていることだけがわかったらしい。その絵に思わず見入ってしまい、気がつくと蒼王子は気を失っていたそうだ。単なる貧血だと蒼王子は説明したが、麻理はなぜか不吉なものを感じるのだった。その日を境に、麻理達を異常な出来事が襲う。