あらすじ
の大災害「大崩落」によって文明が崩壊し、汚染された大地と異形の怪物“蝕獣(しょくじゅう)”が跋扈する世界。
生き残った人類に、神を名乗る謎の存在『神託(オラクル)』から与えられたのは、生き抜くための力――【スキルガチャ】だった。
俺、カジワラ・ユキヤがなけなしの運で引き当てたのは、戦闘には全く役立たない、最低ランクのF級スキル【土壌改良】。
「戦闘能力のない奴は荷物持ち以下のゴミだ」
所属していた武闘派パーティー『クリムゾン・ファング』から罵倒され、俺はわずかな水と食料を渡されて荒野に追放された。
誰もが俺はすぐに死ぬと思っただろう。俺自身もそう思っていた。
しかし、飢えと渇きに苦しむ中、自暴自棄でスキルを発動させた俺は信じられない光景を目にする。汚染され、茶色く枯れ果てた大地が、俺の手のひらが触れた場所から浄化され、黒く瑞々しい土へと変わっていくではないか。
このスキルは、ただ土をいじるだけのハズレじゃない。汚染された大地を浄化し、あらゆる作物を異常な速度で育て、さらにはその周囲に“蝕獣”が嫌う安全な結界を張ることさえ可能な、唯一無二の創生スキルだったのだ。
俺はたった一人で、荒野に小さな畑を作り始める。それは、この崩壊した世界で、安全な食料と安息の地を自らの手で作り出す、壮大なスローライフの始まりだった。
――やがて、俺が作り出した「奇跡のオアシス」の噂は、生存者たちの間に広まっていく。そして、深刻な食糧難に陥り、落ちぶれた元パーティーのメンバーが、俺の前に現れる。
これは、ハズレスキルと蔑まれた力で、崩壊した世界に希望を創造する物語。