あらすじ
名ばかり貴族の貧乏男爵令嬢クリスティーナは、裕福ではないけれど、愛情深い家族と幸せに暮らしている。
ある日、クリスティーナに縁もゆかりもない大貴族の嫡男との見合いの申し込みが届く。男爵家一同は困惑するが断れるはずもなく、クリスティーナはユリウス・アーダルベルト・バレンシュテットと見合いをすることになる。
ユリウスは濃い栗色の髪に『水の精霊』の加護を持つ水色の瞳の貴公子。平凡な容姿、しかも男爵令嬢のクリスティーナがなぜ選ばれたのかまったくわからない。顔合わせの席でユリウスは、自分には特別な事情があり、そのため高位貴族とは婚姻したくないと言う。
クリスティーナは、ユリウスの事情が片づくまでの仮の婚約者「候補」だと考えて、ユリウスと交流を重ねる。クリスティーナは美しく優しいユリウスに惹かれながらも、仮初であると自分に言い聞かせて過ごしていたが、とうとう正式に婚約を結び、バレンシュテット辺境伯の領地で婚約者としてお披露目されることになる。
ユリウスの事情は、クリスティーナの想像以上に複雑で、難しいものだった。
※アンティリア王国の話ですが、単独で読めます。R15は、人の亡くなる描写があるためです。時系列は『一目惚れからはじまる恋のあれこれ』の一年後、『虹色の霧の国』の約五十年前になります。