あらすじ
魔法が絶対の力を持つアウレリア帝国。その司法を司る「法務魔導院」に、異端の若き天才がいた。彼の名はリウ・フォンティヌ。彼の武器は魔法陣でも剣でもなく、緻密な論理で構築された「契約書」そのもの。そして、その条文を敵に直接叩き込み、世界のルールを強制執行させる戦闘術――「契約符術(コントラクトアーツ)」の使い手である。
ある日、帝都で奇妙な事件が頻発する。「契約破棄による行方不明事件」。高金利の貸借契約を結んだ者たちが、返済不能になると同時に忽然と姿を消すのだ。魂を抜き取られたかのような失踪に、帝国騎士団も手出しができずにいた。
法務魔導院から調査を命じられたリウは、早速、独自の捜査を開始する。彼は、体術で敵の攻撃をいなし、懐から取り出した「契約符」を貼り付けることで、相手の筋力を奪い、所有物を差し押さえ、意識すらも刈り取っていく。
やがてリウは、事件の背後にいる悪徳金融業者の存在を突き止めるが、それは巨大な闇の氷山の一角に過ぎなかった。被害者たちを繋ぐ、一枚の「禁忌の契約書」。そして、その契約を操り、帝国の法秩序そのものを内側から蝕もうとする、強大な敵の影。
「条文は、魔法よりも強し」。
その信念を胸に、リウは帝国の隠された闇と対決する。彼のペンが紡ぐ条文が、絶望を覆し、真実を照らし出す。これは、一人の若き契約魔導士が、法の力で世界に正義を刻み込む物語。