あらすじ
乙女ゲーム『薔薇の宮廷恋物語』の世界に、モブ令嬢クリスティアナとして転生したわたし。
この世界では、本来存在するはずの「悪役令嬢」がなぜか不在。ヒロインを虐める存在がいないせいで、物語は始まらず、攻略対象たちはただの優秀な学生として日々を過ごしていた。平穏すぎる世界に耐えかねたヒロイン、アメリア・ローズベルは、ついに暴走!
「どうして誰も私を苛めてくれないのっ!?」
そして彼女は、自分で自分を苛める「悪役令嬢ごっこ」を始めるという、前代未聞の茶番劇を繰り広げ出す。
「庶民風情が殿下に近づくなんて、身の程を知りなさいっ!」と叫んだ直後、「でも殿下が好きなんです!」と自分で泣き崩れるアメリア。わたしは安全な傍観者(モブ)として、その狂気と必死さの詰まった滑稽な物語を、「観察ノート」に記録し続ける日々。
しかし、舞踏会でのヒロインの痛々しい「悪役令嬢宣言」を見て、ついにモブのわたしが舞台袖から介入してしまう。
「ここは物語じゃないわ。現実なの」
この一言がアメリアを救い、そして傍観者として生きるつもりのクリスティアナが表舞台に立つ言葉になるとは――。
これは悪役令嬢がいない世界で始まった、「モブ令嬢」と「自作自演ヒロイン」が織りなす、新感覚の学園ファンタジー。