あらすじ
労働。
人は生きていくためには働かなければならない。
重機を動かし、物を配達し、接客をし……等々。
社会を築くために労働は必須であり、大半の人間は働くことに違和感を覚えない。
ここで、月の裏の世界の話をしよう。
とても信じられないかもしれないが、月の裏の世界には月の民たちが暮らしていて、彼ら独自の社会を築いている。
社会を築くためには労働は必須という話をしたとおり、月の民もまた社会の維持と発展のために働いている。
ところで、あなたたちは一日何時間働いているだろうか。
大抵の人はブラック企業などに勤めていないかぎり大体8時間くらいだろう。
すなはち、1日の3分の1だ。
では月の方は……?
月の一日の時間は655.2時間(27.3日)だ。
そして月の民も偶然にも地球と同じような感覚で働いていた。
そう、1日の3分の1…………!
1日約220時間労働!
にわかには信じがたい圧倒的労働時間!
これが平然と存在しているっ!
しかし月の民はそれを平然とこなしている。
それはその絶望的労働時間を「普通」と感じているからだ。
隣の芝を知らない時、比較ができないためそれを苦に感じることはない。
では、比較できた場合はどうなるか?
これは、月のお姫さまが労働に抗う物語である。